精神分析
これらの考え方などを元に、心の病を治す技法、精神分析が誕生した。
フロイトは自由連想法や夢分析などの技法を開拓した。
又、精神分析療法の完成までには、3つの技法の修正と発展が行われた。
当時19世紀にヒステリーは魔女のように恐れられていたが、
ブロイアー(J.Breuer)は催眠療法を患者に試みていた。
フロイトは、このブロイアーの共同研究者として参加する。
技法としては、ヒステリーのクライアントを催眠状態にし、
その症状に関する外傷体験を語らせ、症状を消失させるもの。
ブロイアーとフロイトは、
ヒステリーの症状は外傷体験に対する常道の抑圧によって成り、
催眠状態によって外傷を再体験することによって情動が吐き出され、
症状が消失するものと考えた。この方法を「カタルシス療法」と言う。
しかし、一部に催眠が効かない、過度に依存欲求が表出する事例が。
そのため、フロイトは手をクライエントの額に当て、
催眠無しで外傷体験を思い出させる「前額法」を実施。
この前額法も、引き出される外傷体験は必ずしも事実ではなく
患者の空想であるという場合があった。
こうした仮定を得て、フロイトは"外的事実の追求"よりも
"クライエントの心的現実"を治療場面に出現させることに
重きを置くようになった。
そのための技法として、寝椅子(カウチ)に患者を寝かせ、
頭に浮かんできたものを自由に語らせる「自由連想法」を考案。
参考URL&文献
http://www.jttk.zaq.ne.jp/babmt806/newpage2.html
wikipedia
図解 いっきにわかる!精神分析(別冊宝島974号)2004
基礎心理学Ⅵ 入門臨床心理学 八千代出版1989
http://wakou-solution.4t.com/ARK4.htm
防衛機制(defence mechanism)
- 抑圧(repression)
無意識に感情や欲求を抑え込むこと。
- 投影(projection)
抑圧された感情や欲求を他人におしつけること。
- 同一化(identification)
自身と羨望などの対象とを似せようとする。
- 反動形成(reaction formation)
欲求が行動化されないようにそれと正反対のことをすること。
- 退行(regression)
幼児化。子供がえり。
- 合理化(rationalization)
自分の失敗を認めず、言い訳したりして正当化すること。
- 昇華(sublimation)
芸術、趣味、仕事などに打ち込む、社会的な方法で欲求を表現。
- 知性化(intellectualization)
抑圧を、知的に客観視すること。合理化の進化版?
リビドー論・性発達論
フロイトは心的エネルギーは性的エネルギーによってなると考えた。
これを「リビドー(libido)」と言う。
性的衝動を起こすエネルギーがリビドー(ユングは解釈が違う)
フロイトは子供にも性欲があると考えた(幼児性欲)
性欲と言うより、快楽・快感の気持ちと言う事だろうか?
リビドーの対象は成長によって変化する。
- 口唇期(乳児期)
- 肛門期(1歳半-3歳)トイレットトレーニングの頃。
- 男根期(3-5,6歳)エディプス期とも言う。性に興味。
- 潜伏期(5,6-12,3歳)異性への興味をなくす。
- 性器期(思春期以後)異性に興味を持つ。
それぞれ〜期の部分に快を得る。
潜伏期とは、リビドーが一時的に休止状態になる期間の事。
この休止期間の間にそれまでのことを忘れる(幼児性健忘)
思春期にリビドーが爆発的に強くなるのは、潜伏期の反動かも。
こうした成長過程で、
リビドーが満足する事で人は性行為を全うに受け止められる。
反対に、その時期に何らかの不満足があると
リビドーの対象が実際の性行為よりもその時期の対象に固着する。
リビドーの固着によってその人個人の人格等にも少なからず影響が。
リビドーが防衛機制によって実生活上にうまく消化されないと、
無意識かでリビドーが暴れ、性格の歪みや神経症症状の原因にもなる。
固着
幼少期の発達段階で学習されるべき体験が得られず、
そのために、その段階に留まる事。
- 口唇期的性格
乳離れが早い遅いなど、順調に乳離れ出来なかった場合。
唇に固着し、喫煙・飲酒などに依存してしまう場合も。
あまりに厳しくしつけられた場合などにも発生する。
他者への強い依存欲求。甘えたがりや寂しがりやなど。
- 肛門期的性格
排泄のコントロール(溜める、出す)が不十分だった場合。
守銭奴、浪費家など。
極端になるとサディズムやマゾヒズム。
この時期に躾に従順な子は几帳面な性格に、
反対にそうでなかった子は頑固者、強情な人になりがち?
統合失調症は口唇期、
躁うつ病は口唇期後期から肛門期前期に、
神経症は肛門期後期から男根期に、
それぞれ固着点(fixation)があると仮定される。
心的装置(psychic apparatus)
フロイトは心的装置を仮定した。
心的装置とは以下の二つ、局在論的な観点と構造論的観点によって成る。
局在論的(topographical)
フロイトは最初、人の心は以下の3つ領域に分かれていると考えた。
- 意識(conscious)
一番表面の意識。
- 前意識(preconscious)
想起しようと努力すれば意識化も可能。
- 無意識(unconscious)
意識化していない意識。
構造論的(structual)
- イド(id)
エス(es)とも言う?
本能的な衝動。快楽を求める本能的エネルギー。
イドが支配する原理を「快楽原則(pleasure principle)」と言う。
- 自我(ego)
イドの本能的衝動を統制し、
現実に適応して生活していけるように調整する意識的機能の事。
自我が支配する原理を「現実原則(reality principle)」と言う。
- 超自我(superego)
社会的規範を逸脱するイドの衝動を禁止しつつ、
現実適応の自我を監督する。
道徳的、倫理的なものへ価値観をはたらかせる概念。
これが強過ぎると自我が萎縮し日常生活が難しくなる。
超自我は、社会の要求を自我に取り入れ内在化して形成する。
about
ごく個人的なメモです。主に学校関係かも。